会津第九の会

「第九」里帰り公演参加報告

 

期間:平成29年3月8日~15日

 

 春彼岸間近の3月8日、会津第九の会メンバー19人(サポーターのお二人含む)と、福島民報社創刊125周年記念事業として派遣された葵高校生の二人は、羽田空港からベートーヴェンの故郷に向けて旅たった。
 「第九」里帰り公演が行われるリューネブルクに到着したのは現地時間の夜半近く。鳴門市の姉妹都市だ。ホテルの部屋からの景色は夜目にも素晴らしく疲れも吹き飛んだ。レンガ造りの落ち着いたた雰囲気の街並みと一体感のあるホテルは、絵本の世界にいるような気分である。

 

 2日目の夕方には、市内の練習会場で日本人約150人、中国人約40人、米国人約20人、地元ドイツから約90人、約300人による顔合わせが行われ、当日の指揮者トーマス・ドーシェ氏の指導に熱心に取り組んだ。

 

 3日目午前中には、公演会場となるロイファナ大学のホールオーディマックスでオケ合わせをし、午後にはリューネブルクの市庁舎を訪問。市長からの歓迎の言葉や一人一人ゲストブックに署名するなど、心からの歓迎に演奏への機運も高まった。
 夜再びホールへ。合唱団の並びもきちんと決まり、ソリストも揃ってゲネプロが始まった。厳しいレッスンを覚悟していたが本当に通し稽古だけで、合唱団は予定した半分の時間で終了。得した気分でホテルに戻り本番に備えてゆっくり休む。

 

 現地時間の3月11日、東日本大震災の鎮魂の意味を込め、時代も国も超えて世界平和の願いを込めて歌い上げた。指揮者のタクトが振り下ろされた瞬間、詰め掛けた約800名のオーディエンスからスタンディングオベーションを受け、観客と演奏者が一体となった感動は忘れられない。音楽の力が言語を超えた交流を生み出す素晴らしさは「歓喜の歌」そのものであった。
 同日夜に催された交流会は俘虜の子孫らも参加されて、盛大かつ和やかな時間であった。福島の復興の話題なども出て、日本に関心を寄せて下さるドイツの方々の優しさに触れ「人類が兄弟になる」というシラーの詩の一節を想い胸が熱くなった。

 

 4日間を過ごしたリューネブルクの街に別れを告げ、もう一つの目的地、ベートーヴェンの生家があるボンへ。ライン川沿いのヒルトンホテルにて日本、中国、米の合唱メンバーが再び集い、翌日のベートーヴェンハウスでのリハーサルを行う。当日の指揮者ジェフリー・バーンスタイン氏の魅力的なご指導で声を合わせ、心も一つになった気がした。

 

 ドイツ滞在も残すところ後2日となった13日、ベートーヴェンの生家に隣接するホールで再び「第九」を歌えた経験は、参加者全員の目には見えない財産として、深く心に刻まれたように思う。

 

 今回の旅に参加し「第九」が言葉、国境、そして時代をも超えてたくさんの感動を与えてくれることを実感した。「第九」の魅力は奥深いが、とても分かりやすい所にある気がする。これからも会津第九の会は松江豊寿公の功績を讃え、「第九」のさらなる魅力を探しながら歌い続けていく所存。一緒に歌ってみたい方はいつでも入会OKである。

 

事務局 田崎

 


羽田空港にて


リューネブルク市庁舎訪問記念の品


ロイファナ大学


第九パンフレット


本番前


オーディマックホール演奏風景


ベートーベンハウスで

 

 

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